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ワールドネバーランド~ナルル王国物語~および~ククリア王国物語~のプレイ日記。更新頻度は不明。ゲームが進めばブログも進む。  ※当ページでは株式会社アルティが権利を持つ『ワールド・ネバーランド~ナルル王国物語~』の画像を利用しております。該当画像の転載・配布は禁止いたします。 (C)althi Inc. http://www.althi.co.jp/
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2011/12/29 (Thu)
目標:年内にアキト編終了。

っと言う事で、今まで書けなかった…書いてもアップしてなかった、する機会がなかった物などなどをまとめてます。
これもその一つ。時系列はアキトがティルグ入りした年(ここらへん)です。

登場人物は

PC:アキト
嫁:ザイダ
父:ファーガス
兄:トウジ
兄嫁:ヴィーナス
甥:アラン

文才無いので読みにくいのですがご容赦ください!
(なお、フラグ会話なども練りこまれておりますので閲覧にはご注意ください)

拍手[4回]


 
「ザイダ!見てよ!騎兵になれたんだ!!これで父ちゃんにもザイダにも一歩近付いた!」
「ふふ、おめでとう。アキトさん」
 
年上の彼女はいつも柔らかく微笑んでた。
一番が良いとか負けたくない、絶対勝ちたいとか子どもみたいな思いを抱いて戦ってる俺を
傍からずっと応援してくれていた。
試合も毎回のようにきてくれていたんだ。
優しくて、綺麗で、俺には何だかもったいない気もするような人。
 
 
 
「ねぇアキト君。武術に眼鏡は邪魔じゃない?」
「ん?んー…確かに邪魔だって思うときもあるけど、でも父ちゃんだって眼鏡かけて戦ってたじゃないか」
「僕は目が悪いからね。でもアキト君はそうじゃないだろ?」
「良いの!俺がかけたくてかけてるんだから!」
 
父ちゃんは忙しい母ちゃんの代わりに良く俺と遊んでくれた。
迷った時はいつも傍にいた。
そんな父ちゃんからもらった赤眼鏡。父ちゃんとお揃いの眼鏡。
俺の憧れの人。
 
 
 
「なぁザイダ。俺、ザイダの事幸せにするから!絶対。
 今はまだ…騎兵になったばっかりだし、仕事もまるっきりしてないから頼りないかもしれないけど…」
「えぇ期待しているわ」
 
微笑んだ彼女の手をとって、俺はこの日一歩踏み出したんだ。
その姿を父ちゃんも会場で笑顔で見守ってくれた。
 
 
今思えば、本当に間に合って良かったと思う。
 
 
「アキト君、いつも本当にありがとう」
「え?俺なんかしたっけ?」
「あはは。何だかティルグ服を着てるアキト君を見て、僕も懐かしくてね。
 それに立派になったなぁって嬉しくて」
「何言ってるんだよ。まだティルグ入りしたばかりじゃないか!これからだよ」
「そうだね。楽しみだよ…っと、そうだった。結婚おめでとう」
「あ、ありがとう…何だか実感も湧かないし面と向かって言われると恥ずかしいな」
「きっとこれから色々あるだろうけど、頑張って。アキト君が家庭を持ったとしても僕達は、いつまでも親子だよ」
 
あの時の父ちゃんはきっと自分の事が分かっていたんだと思う。
俺はただ変な事言うなって思うだけで気にも留めなかったのが悔しいよ。
でも仕方ないよな。だってまだ父ちゃんは19歳だったんだ。
そんな思い、抱くはずないよ。周りはみんなもっと長生きなんだから。
 
「兄貴!兄貴!!父ちゃんが…っ!」
「アキト君、行くよ」
「行くってどこにだよ!?それに、ヴィーナス…もしかして産まれそうなのか?」
「先に行くよ」
「兄貴!!」
 
悔しい事に父ちゃんが危篤になった日。
俺と兄貴がティルグの騎兵としての初戦を迎え…兄貴の初子が産まれようとしていたんだ。
 
「どうしたら良いんだよ…」
 
分からなかった。
今まで迷ったら父ちゃんがその道を教えてくれていたから。
 
「父ちゃん!大丈夫か?」
「来てくれたんだね、ありがとう。もうすぐ安らかな時を迎えられるよ」
「そんな、そんな事言うなよ!!」
「ありがとう…アキト君、後のことはお願いするよ。リッカさんの事、サツキちゃんの事…」
 
その時、薄らと父ちゃんの顔に悔しさが浮かんだ気がしたんだ。
そりゃそうだよな…サツキが成人する姿も、初めてとなる孫の顔も見れずに逝くんだから。
 
「…分かった。心配するな」
 
 

あとの事はあまり良く覚えてない。
必死に走って、ヴィーナスさんの様子を確かめて…試合会場まで行って…俺は重騎兵だったけど
軽騎兵の兄貴がほとんど戦っていたような覚えがある。
でもそれでも一つだけ、ハッキリ覚えている。
 
「兄貴おめでとう。…父ちゃんと同じ赤毛なんだな」
 
茶髪と金髪から産まれた父ちゃんと同じ髪色の孫。アラン。
両親にはあまり似てないけど、おじいちゃんにもおばあちゃんにも似てる。
むしろ2人の子って感じだよな。って考えたら思わず笑っちゃったよ。
 
 

「俺、嬉しくて嬉しくて、伝えたくて走ったんだけど間に合わなかったんだ」
「…そう」
 
そっと俺の手の上に手を重ねてずっと黙って聞いててくれたザイダ。
声をあげて泣く事も、父ちゃんの死を責める事も出来なかった俺はこうやって彼女が傍にいたおかげで
正常でいられたんだと実感した。
 
「ねぇアキトさん、来年生まれてくる子はあなたに似て欲しいわ」
「えっ…」
 
にこっと笑って両手で俺の手を握った。
 
「ダメかしら?私、幼い頃に両親を亡くしているから正直2人の記憶が無いの」
「そ、そうだったな…」
「だからもし男の子だったら、アキトさんに似て欲しいわ。こんなに親を思える、優しい子が良いわ」
「そっ…うかな。で、でも!女の子だったらザイダに似てもらわなきゃな!俺似じゃうるさいかもしれん…」
「うふふ、そうね」
「え!?えー…否定しないの!?」
 
でも男の子でも少しはザイダに似てもらいな。
だってザイダは父ちゃんと同じ性格だから。
俺似でも良いけど、やっぱり少しは、な。
 
「楽しみだな」
「えぇ」
 
出来れば父ちゃんに見せてあげたかったけど、それはもう仕方の無い事。
それよりも今は…
 
「俺、ザイダで良かった!」
「ふふ、ありがとう、アキトさん」
 
今ここにこうやって笑顔でいられるのも君がいたからだ。
 
本当に良かった。

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